2009年、26歳で花王プロフェッショナル・サービスに入社しました。大手スポーツクラブのインストラクターからというまったくの異業種への転職です。最初の2年間は東京支社に配属され、エリアの活動範囲の中で、当社の商品を扱って下さる販売代理店様と一緒に営業活動をしていました。東京支社では、外食系、ホテル系、メディカル系など、特定の分野に絞らず様々な業態のお客様に、販売代理店様を介して商品をお届けします。そのため、非常に幅広いカテゴリーの商品を扱っていました。
そして2011年。異動となり、現カスタマーソリューション部 アミューズメント&リラクゼーショングループの立ち上げメンバーになりました。当時は、限られたエリアの範囲の中で販売代理店様を通じて商品をユーザーにお届けする流れが主でしたが、事業拡大を方針に掲げ、全国展開しているチェーンの企業様に直商談でアプローチしていく範囲を広げていきました。
また、「ホテル・旅館」という宿泊業界にとらわれず、アミューズメント・リラクゼーションという観点から、アミューズメント施設やフィットネスクラブといった全く新しいチャネルも開拓していくこととなりました。
現在担当しているお客様には、大きく分けて3つのご提案をしています。客室に置くシャンプーや化粧品、厨房の衛生管理、清掃で使われる洗剤類。施設内で使われる商品をひと通り扱います。現部署では担当するお客様の業態が特化され専門性が高いため、より深い取組みを通じて知識量はかなり高まりました。
施設の「きれい」を作る提案や、安心・安全・くつろぎの空間に貢献するソリューションをご案内させていただく仕事ですが、その先の多くの利用者様に使ってもらえることも、仕事でやりがいを感じる大きなポイントです。ホテルであれば、清潔な客室で素敵なアメニティ商品を手に取っていただく利用者の方まで、私たちのサービスは繋がっています。単純なBtoBのビジネスモデルではなく、顧客を通じて利用者様がくつろげる空間づくりに貢献できるという意味では、BtoBtoCという、KPS独自の目線で仕事ができることに喜びを感じます。
もちろん、大変な思いをしたことも多くあります。入社4,5年でホテルの大きな案件を任されたときには、「自分でやらないと」と一人で抱え込んでしまいました。 大型のホテルには厨房も客室もあるため、店舗調査や商品導入準備、各種事務処理など多方面にやるべき仕事が発生します。全てを自分で完遂しようとして、気づいたら首が回らない状態でした。
そこで大きな挫折を味わいました。「この仕事向いてない」と落ち込んだり、「自分の力量はこんなものか」と悲しくなったり。そんな時に、グループのメンバーが支えてくれたことで、「チームで仕事をする」ことを学びました。自分の限界を思い知った。だからこそ、同じ目標を持ちメンバー同士で支え合って実現する。組織として動くことが大切なのだと、身をもって理解しました。
1人で抱えるつらさを知ったからこそ、2017年に就任したマネジャーの仕事では、メンバー同士で支え合う職場づくりに力を入れています。自己完結する仕事、担当者にしかできない仕事は確かにありますが、全体を見渡し、グループで協調する環境を整える役目を意識しています。
実は入社した頃から、漠然とではありますが「10年以内にマネジャーになりたい」という想いがありました。特に、現カスタマーソリューション部アミューズメント&リラクゼーショングループの立ち上げで本社勤務になった時、上司の「この会社でどうなりたいのか人生設計を立ててみなさい」という言葉も、後押しになりました。10年後に管理職になるには、5年後にはこうなる必要があって、逆算して今は…手帳に記してみて、何が自分に足りていないのかを明確にしていきました。結果的に、自分で思っていたよりも早く、33歳のとき当時最年少でマネジャーになりました。
その時に役員からもらった言葉は今でも覚えています。「役職に就いたからといって『マネジャー』になれるわけではない。すぐでなくてもいい、経験を積んで、一日も早く『真のマネジャー』になってほしい」と。自分に務まるだろうかという不安や、「最年少」という言葉に重圧を感じていましたが、この言葉で少し肩の力が抜け、同時に期待に恥じないよう一人前にならなくてはと、自分を律する言葉になっています。
あんな風になりたい、という若手の目標となる存在であり続けることも、常に意識して仕事に臨んでいます。
私がマネジャーを目指したのは、会社の中で一営業担当の声を伝えるためには、より届けやすい立場にいる必要があると考えていたからです。単に「管理職になりたい」ではなく、「管理職になって何をしたいか」。商品や会社をより良くしたい、メンバーが目指していることを実現したい。その想いを受け入れ、伝える努力を続けました。最近では、新しい商品提案で企画部門と営業部門の連携が強まったと感じる瞬間も増えてきました。
声を伝えることや、積極的にコミュニケーションを取って歩み寄る、仕掛ける力は、私の一番の強みだと自負しています。どんなことでも良いので「これだけは自分の強み」だという部分、それを表現することが大事だと思います。