特に気をつけたいノロウイルスについて特徴や対策のポイントを解説します。
その感染経路のほとんどは、ノロウイルスが食べ物と一緒に体内に入る経口感染です。ウイルスの特徴として、大きさは非常に小さく、強い感染力を持ち、少量でも感染します。ヒトの腸管内でのみ増殖し発症します。予防のためには感染経路を遮断し、人の体内に侵入する前にウイルスをやっつけることが大切です。
主な感染経路は3つ
食品取扱者から
排便後や嘔吐物を処理した後、十分な手洗いをせずに調理を行った食品を食べたり、人が良く触れる箇所を触った後の不衛生な手指で汚染された食品を食べることで起こります。
食材から
下水を通じて海水に流れたノロウイルスが二枚貝の内臓に蓄積され、それを生や加熱不十分で食べることで起こります。
環境から
嘔吐物の処理が十分にできておらず、空気中にノロウイルスが舞い上がり、それを吸い込むことで起こります。
経路1と2は食材を介すので食中毒ですが、経路3は食中毒でなく、感染症扱いとなります。
感染経路を遮断するためには「手指衛生」「消毒と施設管理」「食品の加熱調理」「正しい汚物処理」「健康管理」の5つの点に注目してノロウイルスの食中毒を予防しましょう。
ノロウイルスは非常に小さく少量でも感染してしまいます。ウイルスに汚染された手から食品やお店の中のよく触れる箇所を介して感染を拡大させてしまう可能性があるので、適切なタイミングと方法で手洗いを行いましょう。
調理器具や設備についたウイルスの数を減らすために洗浄・消毒が不可欠です。適切な方法で洗浄・消毒を行い食品への二次汚染を防止しましょう。また、よく手が触れる箇所のこまめな清掃を心がけ、お客様が使用するトイレを分けるなどして、人から人への感染を防止しましょう。
ノロウイルス食中毒事例のうち約7割は原因食品が特定できていません。ウイルスに感染した食品取扱者から食品が汚染されたことが原因とみられることも多く、原因食品が特定できない要因となっています。
原因食品の一つに二枚貝があります。ノロウイルスが二枚貝の内臓に蓄積されていることが多く、生や加熱不足のまま食べることで食中毒が発生していますが、十分に加熱すれば、食べても問題ありません。
一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品は、中心部の温度が85℃~90℃で90秒以上の十分な加熱をしましょう。
■ポイント
正しい身支度で自分への感染を防ぎながら、適正な消毒剤で、汚染を広げないために適切な方法でふん便・嘔吐物の処理を行いましょう。
■ポイント
症状にでていなくてもノロウイルスに感染している可能性や、かかった後は症状がなくなっても、通常では1週間程度、長いときは1か月程度ウイルスの排泄が続くことがあります。このため、毎月検便を実施して感染の有無を確認することがおすすめです。ふん便・嘔吐物には、ノロウイルスが大量に含まれていることがあるので、家庭においても取り扱いに十分に注意して、適切な処理や清掃によりノロウイルスに感染しないようにしましょう。もし体調すぐれない場合には必ず報告して食品を直接取り扱わないようにしましょう。