「自分が創る料理を周りのみんなが褒めてくれるから、いつかは飲食店を開業したい。料理も好きだし人と話すのも好きだから、自分は飲食店経営に向いているはず。」こんな思いで独立を考えている方が多くいらっしゃいます。
シビアな現実をお伝えすると、今の日本には、飲食店が70万軒以上あると言われています。また、新規開業する飲食店は後を絶ちませんが、その半分以上が2年以内に閉店に追い込まれてしまうのです。ズバリ申し上げるならば、「料理が少しうまいくらいでは、飲食店経営はできない。せっかく借金をして飲食店を独立開業しても、その他のスキル(能力)がなければ、すぐに潰れてしまうことが多い。」ということです。
では、飲食店を独立開業するのに向いている人、持っているべきスキルとはどんなものなのでしょうか?
飲食店を開業するためには、ほとんどの場合、開業資金と運転資金を借り入れなければいけません。まだ創業もしていない企業や人には銀行は融資をしてくれませんので、日本政策金融公庫というところから借り入れをするケースがほとんどです。
日本政策金融公庫から融資を受けるためには、ご自分が開業しようとしている飲食店はどんな店で、開業と運転にはいくらくらいの資金が必要で、どれだけのペースで返済していくか、などの計画を立て、融資審査官からOKをいただかなければなりません。
親・兄弟や知人からの借り入れは、甘えが生じたり、返済が滞った際に人間関係をも崩しかねないので、おすすめしません。
飲食店で成功を収められるかどうかは、ここが一番必要なスキル(能力)と言えます。開業しようとしている飲食店の業態や特長を定め、集客目標、収益目標、返済計画などをしっかりと立てて、その計画通りに事を運んでいく能力です。最低限の会計や税務、法律、衛生管理に関する知識がないと、トラブルを起こしてしまうことが多いでしょう。
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また、特に創業当初には、食材やお酒などを納入してくれる業者の選定や条件交渉など、人との折衝能力が必要とされます。中には悪意を持って(だますつもりで)近づいてくる悪徳業者も存在しますので、そういった人たちの口車や悪巧みを見抜き、乗せられないようにする力も必要です。
飲食店経営は、決して1人ではできません。スタッフを雇い、教育して能力を高め、調理や接客をしてもらって初めて機能します。人をどう採用するのか、教育はどれくらいの期間、どのような方法で行うのか、スタッフ同士が揉めた場合にどうするのか、売上目標に対してどれくらいの労働時間(シフトインするスタッフ)を用意したら良いのか、などをしっかりと考え、良い意味でスタッフや取引業者さんたちを巻き込みながら飲食店を経営していく能力です。
飲食店ですから、この調理能力がなければ始まりません。特に雇ったスタッフにキッチンを任せられるようになるまでは、ご自分で鍋を振り続ける必要があります。「数人用の料理」を作らせたら美味しくできるが、数十人、数百人用の調理をしたことがなく、味がぶれてしまい、飲食店開業と同時に「こんなはずじゃなかった。」と挫折をされる方が多くいらっしゃいます。ご自身の調理スキルを他の調理人に教える能力も必要となりますね。
また、調理能力だけでなく、お客様に受け入れられる新規メニューの開発能力も非常に重要と言えます。開業前だけでなく、開業後も足しげく人気店に視察に行き、ご自分の店のメニューに取り入れられる要素はないか、などを研究し続ける探究力が必要となります。もちろん、食材原価をかければ美味しい料理を作りやすくなりますが、提供金額から使える原価を逆算し、その金額内でいかにおいしい料理を創りあげられるかを含めたメニュー開発能力が必要です。
いかがでしょうか?「自宅のキッチンで料理を作ってみたら、家族や友人から褒められた。」という程度で飲食店を開業しようとしている方は、率直な言い方をすると、ほぼ間違いなく失敗するでしょう。飲食店の独立開業を考えられている方は、先ほどご紹介した各種スキル(能力)を自分は持っているか、ということを再度確認してみることをおすすめします。
また、何よりも飲食店経営に必要なことは、「お客様に美味しい料理やお酒を召し上がっていただきたい」というホスピタリティと、想定通りに経営がうまくいかない時にすぐに諦めてしまうのではなく、「何としてもこのマイナスの状況を打開して成功してやるんだ!」という不撓不屈の精神を持っていることと言えます。
大事なことは、ご自分の人生を崩してしまわないためにも、安易な考えで飲食店の独立開業を考えてはならないということです。
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