繁盛している飲食店の経営者や店長は、常に天気・気温について気を配っています。
天気や気温の変化によってお客様が頼まれる料理やドリンクの種類・数が顕著に変わってくることを知っているからです。
飲食店経営者ならば、「今日は雪がちらつきそうなほど寒いから、鍋や熱燗がよく出るだろうな。」「今日は少し外を歩くだけで汗が噴き出てくるほど暑いから、ビールがよく売れそうだ。」など、なんとなく気温が低い・高いからこの商品がよく売れそうだということを肌感覚で感じられているでしょう。
でも、繁盛している飲食店の経営者は、「今日の気温は19時頃でも27度までしか下がらないみたいだから、瓶ビールをあと20本多めに冷やしておこう。『瓶ビール、キンキンに冷えてます!』のPOPも店前に出しておいたほうが良いな。」などのように、より具体的に予想気温を把握し、自店メニューの出数を予測すると同時に、お客様にその商品をおすすめすることで売上を伸ばしているのです。
このように、天気・気温・降水量・湿度などの予測を基に販売戦略を立てることを「ウェザーマーチャンダイジング」と言います。
ウェザーマーチャンダイジングでは特に気温が重視され、昇温商品(体感温度が上がればそれに比例して販売が伸びる商品)と降温商品(体感温度が下がるほど売れる商品)を中心に販売戦略を立てていきます。気象情報を使って販売促進計画を行うことで、食材のロスを減らし、売上を伸ばすことにもつなげられます。
飲食店における昇温商品の代表格には、
などがあり、
降温商品の代表格には
などがあると言われています。
ウェザーマーチャンダイジングのポイントをシンプルに表現すると、「気温が高くなりそうならば昇温商品を多めに仕込んでおき、下がりそうならば降温商品を多めに仕込んでいけば良い。」ということになります。
ただし、気温が上がれば昇温商品の全てが売れるというわけでは無い、というのが面白いところです。アイスクリームは気温が25度を超えると急激に販売数を伸ばしますが、32度を超えるとあまり売れなくなり、売れ筋はかき氷へシフトするそうです。確かにあまりにも暑いとアイスクリームではなくかき氷が食べたくなる気がしますね。実は、あまりにも気温が高くなると人間の基礎代謝が落ちてしまうため、熱を抑えるために低カロリー・低脂肪の食品を摂ろうとする生理的欲求が理由の様です。
「アイスクリームの販売数が急激に伸びるのは気温が25度を超える時」というように、販売数が激増する「基準温度」をあらかじめ把握しておくことで、飲食店でもその気温以上・以下となる予測確率に応じて、販売促進策の実施などの対応を早めにとることが可能となります。
この基準温度については、気象庁による『気候リスク管理技術に関する調査』において「多くの品目の販売数と気温・降水の間には関係があること、また販売数が急増する気温といった気象条件は客観的に推定可能であり、商品の中にはこうした気象条件が地域ごとに異なる場合があることがわかりました。」「気候の影響を軽減または活用するためには、①気候リスクを認識し、②それを定量的に評価し、③気候情報を用いて対応することが重要で、一連の3つのプロセスを気候リスク管理といいます。」と報告されています。
では、降温商品の代表格の1つとして挙げたおでんは、真冬に一番よく売れるのでしょうか?
実はおでんは、例年9月から10月にかけて一番よく売れるそうです。気温だけを見れば真冬のほうが低いため、より多くおでんが売れそうに感じますが、9月から10月にかけては、真夏の暑い日が続いていた後に急に気温が下がり体感気温が低く感じられるために、おでんが急激に売れ始めるとのことです。
ちなみに最低気温が18度を下回るとおでんの売上が伸び始め、15度以下になるとお鍋の具材が売上を伸ばし始めるそうです。面白いですね。
いかがでしょうか?飲食店は、「今日の天気は1日中晴れなのですごく暑い。」「今日は1日中雨。」というようなザックリとした天気・気温の捉え方ではなく、時間帯ごとの気温の推移や、直近数日間との寒暖の差などをしっかりと把握したうえで、「本日のおすすめメニュー」などを決めていくことで、さらに売上を伸ばすことができそうですね。
「ウェザーマーチャンダイジング」の考え方をあなたのお店でもぜひ採りいれて、売上を伸ばしていってください。
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