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キッチンカー開業のメリット・デメリット/成功のポイント

2022年5月25日 更新

キッチンカーの台数は東京都だけで4,000台以上に!

新型コロナの影響で、街中でキッチンカーを見かける機会が非常に多くなっていますね。

国土交通省によると、東京都の移動販売車の営業許可件数は平成元年から29年までに8倍ほどに増え、なんと2021年末時点では約4,000台にもなっているそうです。
最近ではセブンイレブンさんが移動販売を始めたことも話題になりましたよね。

さて、飲食店を開業するよりも気軽に始められそうなキッチンカーですが、売れるための準備をしっかりと行ってから営業をスタートしないと、「こんなはずじゃなかった」ということになりかねません。今回は、キッチンカーで開業する際に抑えておくべきポイントについてお話しましょう。

キッチンカーで開業することのメリット

店舗型の飲食店ではなく、キッチンカーで飲食店を「開業」することのメリットはいくつかあります。代表的なものを確認してみましょう。

メリット

1.開業の初期費用が安く済む

店舗型飲食店の開業には安くても1,000万円~2,000万円ほどかかることが多いですが、キッチンカーならば150万円~400万円ほどで開業できることが多いでしょう。中古キッチンカーの「居抜き(中古車購入)」も狙い目です。

2.開業までの期間が短い

飲食店用の物件探しには1年ほどかかることもザラですが、キッチンカーの場合、販売用車両を準備して営業許可などを取得すれば、早ければ1~2か月程度で営業をスタートできます。

3.店舗家賃などがかからず固定費が非常に安く済む

店舗家賃は毎月数十万円から数百万円もかかりますが、キッチンカーならば駐車場代とガソリン代、車検代程度ですみます。

4.売れそうな場所と曜日を選んでこちらから攻めの営業ができる

イベントがある場所の周辺や、曜日ごとに違う場所に出店することができるため、待ちではなく攻めの営業ができます。日替わりでその場所にあったメニューを販売することもできます。

キッチンカーで開業することのデメリット

デメリット

1.売れそうな出店場所を確保するのが想像以上に難しい

メリットの裏返しのようですが、ターゲットの客層が集まりそうな場所には、競合のキッチンカーも出店したいため、激戦となります。後で触れますが、好立地に出店するためのアクションを起こしましょう。

2.店舗レイアウトの変更がほぼできない

一般店舗の場合、厨房のレイアウトはある程度変更できますが、キッチンカーでは、購入した車両の形状でレイアウトが決まるため、ほぼ変更できません。調理導線は作業効率に大きく影響するため、キッチンカー購入時にはどのようなレイアウトが可能かをしっかりとイメージしてから購入することが重要です。

3.衛生管理に細心の注意を払う必要がある

店舗には冷蔵庫・冷凍庫・空調などがあるため、食材の劣化を防ぐことができますが、キッチンカーの場合は、食材の劣化を防ぎづらいといえます。調理済みの食材の保管方法、調理器具の洗浄や手指衛生など、食中毒を発生させないために細心の注意を払う必要があります。

キッチンカー開業で成功するヒントと失敗しないための注意点

キッチンカー開業で成功している人に共通するポイントからヒントを探してみると、

1.出店場所の確保がうまい

イベント会場には多くの人が集まるため、競合のキッチンカーも出店しようと主催者にかなり強めの営業をかける場合が多く、なかなか良い出店場所を確保することはできません。

実はタワーマンションやオフィスビルなどは入居者が多い分「ランチ難民」になる方が多いため、マンションやビルの1階空きスペースなどに出店させてもらえないか交渉をすると、出店料無料で許可をもらえる場合があります。

例えば『軒先ビジネス』というWebサイトには、10,000件以上の「出店可能場所」が登録されているので、出店場所に困ったらそのようなサイトで調べてみるのもおすすめです。

2.キッチンカーの存在と商品の「魅せ方」がうまい

当然のことですが、お客様にキッチンカーの存在自体を知っていただけなければ売り上げは伸びません。看板の出し方や視認性を工夫する必要があります。 遠くからでも料理の種類と値段が一目で分かり、近づいたら料理のこだわりやポイントがしっかりと書いてあるような看板を複数出しましょう。強風対策もお忘れなく。

3.短時間で的確に商品を提供する力がある

例えばランチ中心で展開しているキッチンカーは、午前11時30分から13時30分までの2時間程度が勝負です。この120分の間に仮に100食を販売しようとすると、1食販売あたりにかけられる秒数はたったの72秒しかありません。注文を受け、料理を詰め、お渡しして、お会計をするまでで72秒です。提供メニューの検討も、1食平均60秒程度で提供できるものは何か、から逆算したほうが良いでしょう。

 
逆にキッチンカー開業で失敗している人から学ぶべき注意点は、以下の通りです。

1.こだわりが強く調理時間が長すぎてお客様に迷惑をかけてしまう

キッチンカーで料理を購入されるお客様は、貴重な休み時間を使って来られる方が多いため、長くても数分しか待ってくださらないでしょう。おいしい料理を提供するためにこだわりを持つのは重要ですが、そのこだわりが提供スピードを遅くするようでしたら、やめたほうが良いでしょう。

2.どこででも食べられるメニュー、誰も知らないメニューを提供してしまう

どこででも食べられるものには食指が動かず、誰も知らないメニューは怖くて誰も購入してくださらないでしょう。キッチンカーにおいては「誰でも知っているメニューに少しアレンジを加えたもの」がよく売れる傾向にあります。まだ誰もキッチンカーで販売しているのを見たことがないメニューを扱うのは危険といえるでしょう。

3.持ち運びづらい/食べづらい容器で販売してしまう

キッチンカーで購入した料理をお客様がその場で食べることはあまりなく、オフィスや公園まで運んで召し上がります。持ち運んでいる間に傾いて汁がこぼれてしまったり、食べづらかったりするとお客様の評判はガタ落ちです。包装容器の選定は見た目だけでなく、何度も自身で持ち運び・食べてみたうえで最終決定しましょう。

HACCP施行に伴い営業許可種類等が変更

HACCP(ハサップ)が2021年6月から完全義務化となり、キッチンカー関連の営業許可種類も変更となりました。例えば1台のキッチンカーで「ハンバーガー」「クレープ」「コーヒー」を販売したい場合、以前は「飲食」「菓子製造」「喫茶」の3つの営業許可が必要でしたが、今は「飲食店営業」のみとなり、開業のハードルが下がりました。

また、販売エリアが広い場合、これまでは自治体ごとに営業許可を取得する必要がありましたが、その基準が全国で統一され、かつ同一県内での営業は一度の許可取得で行えるようになりました。これはキッチンカー運営に非常に追い風ですね。

キッチンカーにおいても、従来の蛇口水栓は不可となり、非接触型(肘で止水できるレバー式、センサー式)手指再汚染防止水栓の導入が求められています。

また、車内での仕込みが不可=別途営業許可を取得した場所で仕込みをして、車で販売に出かけることが必要となりました。

食中毒を発生させないために、衛生管理を徹底しよう

キッチンカーで販売される料理・飲み物は、お客様がその場で召し上がる店舗型飲食店と違い、少し時間が経ってから召し上がられるケースが多いといえます。時間の経過とともに細菌は増殖しますので、食中毒の発生原因とならないよう、細心の注意が必要です。

特にキッチンカーでの販売においては、

  • 当日の販売量を見込み、適切な仕入れ及び販売を行うこと

が重要です。これから暑くなる季節に、常温で何時間も放置しておいた売れ残りの食品を販売することなどは絶対にやめましょう。

また、

  • キッチンカーを手伝ってくれるアルバイトスタッフにも衛生管理の意識を植え付けること

が非常に重要です。頻度高く手を洗い、消毒を行うことや、食材の冷蔵保管の意識づけなどを徹底しましょう。

  • 手洗い剤と消毒剤をしっかりと設置すること

も必ず行いましょう。東京都福祉保健局によると、キッチンカーの営業許可取得のためには、手指アルコールの設置は必須で、80リットル以上のタンクのキッチンカーには手洗い剤と消毒剤の設置が必要とされるそうです。

いかがでしょうか?キッチンカーはコロナ禍で非常に人気を博している一方、安くてスピーディに出店できそうだから、と安易に参入すると競合に太刀打ちできず、数か月で廃業に追い込まれるケースも多いようです。

自店のおいしい料理や飲みものを多くの方にお届けして喜んでいただくためにも、しっかりと準備をしたうえで開業したいですね。

最後にキッチンカーで成功している先輩からのアドバイスを1つお伝えしましょう。
「営業日の前日は辛い食べ物を食べすぎないこと、当日は水分を摂りすぎないことが大事です!」だそうです。
確かにキッチンカーでの販売中はサッとトイレにいくことは難しそうですもんね笑

さあ、しっかりと準備を整えてキッチンカーで開業しましょう!

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