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インバウンド外国人対応のポイント

2023年08月23日 更新

一気に外国人観光客の数が増えてきた

新型コロナウイルス感染症の流行も5類感染症に位置づけられる状況となり、うれしいことに飲食店に来られるお客様の数も増えてきましたね。

2019年に約3,200万人まで増え、2021年には約25万人まで落ち込んでいた訪日外国人の数も一気に増えています。今年1月2月は各150万人、3月は181万人が来日されていて、年末までには過去最高に近づくのではないかとまで言われています。

外国人の増加とともにトラブルも増えてしまっている

飲食店に活気が戻るのは喜ばしいことですが、一方、外国人観光客との言葉や慣習の違いから、クレームが生じたり店舗側とトラブルが起こったりすることも多いようです。

コロナ禍で外国人対応を経験していないために不慣れだ、という以外にも多くのトラブル要因があります。今回は、なぜインバウンド外国人のお客様とトラブルが多発してしまうのか、また未然に防ぐためにはどうしたらよいのか、ポイントを確認してみましょう。

1. 英語圏以外のお客様が増えている

英語圏以外の外国人が増えていることがトラブル発生の一因のようです。
かつては外国人の方が来店された際は「イングリッシュメニューアベイラブル!」と言いながら英語で書かれたメニューを出し、指差し注文を受けていたお店も多いでしょう。

ところが、アジア諸国の経済発展と円安により、英語圏以外のお客様が増え、「英語のメニュー」を提示するだけでは円滑にコミュニケーションが取れないケースが増えてきているのです。

2023年1月の訪日外国人は約150万人ですが、韓国が57万人、台湾が26万人、香港が15万人と、東アジアからの訪日だけで約67%を占めています。

欧米・オーストラリア・中東を合わせても14%程度ですから、それだけ「英語ではコミュニケーションが図れない可能性が高いお客様」が増えているということになります。

対応策としては、

  1. 「英語のメニュー」だけでなく、「主要アジア諸国の言語で書かれたメニュー」も用意すること
  2. 翻訳ソフトなどを活用して、指さし注文以外のコミュニケーションがとれるようにしておくこと

が効果的でしょう。

2. 日本独特のルール・システムをお客様が理解されていない

インバウンド外国人のお客様が理解できない日本独自のシステムとして「お通し」がよく挙げられます。

「頼んでもいない料理を店員が笑顔で持ってきてくれた。サービスだと思って食べたら、あとから料金を請求された。この店はひどい!」というケースがよく起こります。
お通しは、しっかりと事前に説明をしないとトラブルの基となります。

英語で言えばお通しは「an appetizer」です。
「当店ではcover charge(日本語っぽく言えばテーブルチャージ)を1人につき500円いただいています」
「500円のcover chargeにはan appetizer代も含まれています」
「もしan appetizerが不要でもcover chargeの金額に変わりはありません」

ということをしっかりと説明する必要がありますね。

ちなみに最初の一文を英語・韓国語・ベトナム語で書くと、

【英語】 We have a cover charge of 500 yen per one person.
【韓国語】 저희 가게에서는 커버 차지를 1인당 500엔 받고 있어요.
【ベトナム語】 Cửa hàng chúng tôi tính phí vỏ bọc là 500 yên cho một người.

となるそうです。

お通しのシステムについてはトラブルを防ぐためにも、インバウンド外国人のお客様向けメニューにしっかりと各国の言語で記載しておくことをおすすめします。

また、お通しだけでなく、「店前の発券機や登録ボードにより順番待ちの登録を行うこと」も外国人のお客様にとって理解しづらいことのようです。
「普通に行列の最後尾につけば順番にお店に入れると思って並んでいたら、数十分経ってから発券機や登録ボードの存在を知らされ、またイチから並びなおさせられた」というクレームもあるようです。

インバウンド外国人が多いお店においては、店前や店のWebサイトにしっかりと「並ぶ際には先に登録をしてください」と各国の言語で書いておくことをおすすめします。

3. 決済方法が告知されていない

食後のお会計時にもよくトラブルが起こります。

  • 現金でしか支払いができない飲食店において、カードや〇〇ペイで支払おうとする
  • VISA・JCB・Mastercardのみ利用可能でDinersやAMEXが使えないことを会計時に知る

ことにより困っているインバウンド外国人もよく見受けられます。

使えるカードについては英語・韓国語・ベトナム語で書くと、

【英語】I'm sorry. We accept VISA, JCB and MasterCard. We don't accept DINERS and AMEX.
【韓国語】 죄송해요. 저희 가게에서는 VISA, JCB, MasterCard를 이용하실 수 있어요. DINERS, AMEX는 이용하실 수 없어요.
【ベトナム語】Thành thật xin lỗi. Ở cửa hàng chúng tôi thì có thể sử dụng VISA, JCB, MasterCard. DINERS, AMEX thì không thể sử dụng được.

となるそうです。
もちろん、自店の状況に合わせて書き換えてくださいね。

4. 宗教やアレルギーで食べられない食材への理解が乏しい

海外のレストランでは「私はイスラム教徒です」と言えばすぐにスタッフがハラールメニューを持ってきてくれたり、「卵アレルギーなの」と言えばヴィーガンメニューを持ってきてくれたりするなど、宗教やアレルギーごとに食べられない食材や調理法に対応をしてくれるのが一般的になってきていると言われています。

一方、日本人はあまり経験がないため、「ハラール」「コーシャ」「ヴィーガン」などと言われてもそれが何を指すのか、どのような対応をお客様が求めているのかがピンとこない方も多いことでしょう。

インバウンド外国人の方から「ハラールメニューはありますか?」などと聞かれることが多いお店においては、店頭や店内の目立つところに、「Sorry, we don't have a halal menu.」などのように注意書きを貼っておくと良いでしょう。
スタッフに「ハラールやコーシャとはこういう意味だ」ということを事前に教育しておくのもいいですね。

【ヴィーガン】
牛肉、豚肉、鶏肉などに肉類、魚介類、さらには卵や乳製品、はちみつなど動物性食品を口にしない「完全菜食主義者」のこと。

【ハラール】
アラビア語で「許されている」という意味。イスラム教において、食べることを許された食品や料理のこと。
[主な禁じられている食品] 豚肉・アルコール

【コーシャ】
ユダヤ教において、食べてもよいとされる食品のこと。
[主な禁じられている食品] 豚肉・甲殻類・貝類/肉と乳、肉と魚の同時摂取
(例)チーズハンバーグ

冒頭でお伝えしたとおり、今年は訪日外国人の数がすごい勢いで伸びています。

日本人と比べて外国人のお客様の客単価が3倍以上になっているケースもよくお聞きしています。もちろん日本人のお客様を大事にしつつ、今後さらに増えていくであろう外国人のお客様対応をしっかりとできるかどうかで、コロナ禍で苦しんでいた飲食店がV字回復できるかどうかが大きく左右されそうです。

慣れない対応を求められて大変かもしれませんが、しっかりと事前準備をして外国人のお客様をお迎えしましょう。

【インバウンド外国人対応ツール】

お支払いに関するご案内・オーダーを受ける際に便利なツールをご用意。ぜひご活用ください。
(表示言語:英語/中国語/韓国語/インドネシア語/ベトナム語)

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