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飲食店が営業利益を毎月10万円増やすためにやるべきこととは?

2023年03月15日 更新

ご自分の店の利益額を把握できていますか?

飲食店経営者のあなた、ここ6ヶ月の各月売上額・利益額を即答できますか?
「売上は大体分かるけど、利益は分からないな~」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
 

当然の話ですが、利益を確保できない飲食店はつぶれてしまいます。
今回は、もっと儲けたい、利益を増やしたい、という飲食店経営者のために、営業利益を毎月10万円増やすためのポイントをお伝えしましょう。

利益を増やすには、売上アップかコストダウンをするしかない

まずは飲食店経営の公式をおさらいしてみましょう。

飲食店経営の公式

  • 売上=客数×客単価
  • 利益=売上−経費

ですよね。

飲食店が利益を増やすためには、売上をアップするかコストを削減するしかないのです。
プロフィットツリー(利益構造)などと少し面倒くさい表現で呼ばれていますが、この表はしっかりと頭に入れておきましょう。 
 

飲食店プロフィットツリー(利益構造)とは

売上アップとコスト削減が飲食店の利益増につながるプロフィットツリーの図

売上アップとコスト削減が飲食店の利益増につながるプロフィットツリーの図

売上アップとコスト削減が飲食店の利益増につながるプロフィットツリーの図

飲食店の営業利益率は5%程度しかない

では、飲食店が毎月の営業利益を10万円アップするためには、どれだけ売上を増やしたらよいのでしょうか?
 

ここで「営業利益率」という考え方が出てきます。
営業利益率とは、「いくら売り上げて、その内の何%が営業利益として残ったのか」という考え方です。業態にもよりますが、飲食店では営業利益率が5%程度のところが多いでしょう。
 

仮に月商500万円の居酒屋があるとして、営業利益率が5%の場合、月末に25万円しか営業利益が残らない、という計算です。逆に言えば、95%の475万円は何かしらの経費で使われてしまっている、ということになります。
 

営業利益率が5%の場合、営業利益を月間10万円増やすためには、200万円も売り上げを伸ばさなければならなくなります。
いきなり月商を200万円アップするのは少し厳しそうですよね?
 

では、営業利益率の改善はどうでしょうか?
月商が500万円のままでも、営業利益率が7%になれば営業利益は35万円となり、従来よりも10万円アップできるのです。
 

「お、今月は昨年同月対比で売り上げが50万円伸びたぞ」というように喜ばれる飲食店経営者は多くいらっしゃいますが、これからは「お、今月の営業利益率は昨年より1%改善しているぞ」などのように営業利益率にも注目されるとよいでしょう。

営業利益率改善のためにはFL比率の改善が必要

では、営業利益率を2%改善するために、飲食店ではどのようなことができるのでしょうか?
ここで、FL比率(エフエルひりつ)という考え方が出てきます。

FL比率とは、売上に対してFood(食材原価)とLabor(人件費)がどれだけの割合を占めているか、という考え方です。
計算式は、FL比率=(食材費+人件費)/売上高ですね。
*FL比率について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。 

 
赤字店舗の飲食店を分析すると、FL比率が70%程度かかっていることが多くあります。飲食店ではFLコスト以外に地代家賃や水道光熱費、販促費など多くの経費がかかるため、FL比率が70%を超えている場合、経営状態はかなり厳しく、65%でも営業利益はほぼゼロに近いでしょう。
 

営業利益を増やすためには、まずはこのFL比率の改善に着手すべきなのです。

FL比率は60%以下を目指そう

FL比率は60%(Food35%、Labor25%)を目指しましょう。
月商500万円の飲食店においては、Food(食材原価)を175万円、Labor(人件費)を125万円に抑えるということになります。
*もちろん、焼肉店のように人件費を多くかけなくても成り立つ業態の場合には、Food40%、Labor20%などのように60%の内訳は変わります。

食材原価を抑えよう

食材原価を抑えるためには、食材廃棄率を下げることも1つの有効施策です。
1日に1回も注文が入らないメニュー用に仕入れている食材がある場合、そのメニュー提供を無しにすれば、食材の廃棄率が下がります。
 

大根の葉はおひたしに、魚の骨などはあら汁に使うなど、各食材の歩留まり率を高めることも原価率ダウンに効果的です。これらは単品メニューとして提供しても良いですし、お通しやサービスとして提供すれば顧客満足度が高くなり、ひいては売上アップにもつながるでしょう。

人件費を抑えよう

人件費を抑えるためには、無駄なシフトを組んでいないかを見直してみましょう。
例えば仕込みの時間帯に必要以上の人数をシフトインさせていないか、客数が減る時間帯にも多くのスタッフを残していないか、などを分析してコントロールするのです。
 

ただし、「今日は雨だし売上が伸びなさそうだから予定よりも先に上がって!」などの急な要求をスタッフにするのではなく、過去の売上データや天気予報をしっかりと事前に確認・分析し、シフト組みの時点で調整するようにしましょう。
 

オーダーや会計をお客様がテーブルでできるような仕組みを導入すれば、人件費を下げることができます。仕組みの導入コストと人件費を比較して、半年から1年程度の中長期でコスト回収ができそうならば、テーブルオーダーシステムなどを導入することもよいでしょう。

FD比率を意識しよう

調理が必要なフード(F)よりも、ドリンク(D)のほうがオペレーションがシンプルで、原価率も低いケースが多く、結果としてFLコストを下げることができます。特にドリンクの単価が高いお酒を提供しているお店では、Fに対するD比率(FD比率)を意識して高めることも原価率ダウンに有効です。
 

*FDについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。少しだけ解説してあります。

いかがでしょうか?
 

飲食店が営業利益を毎月10万円増やすためにやるべきことは、まずはFL比率の改善からと言えます。メニュー数を絞って廃棄食材を減らしたり、無駄なシフトを削ったり、粗利率の高いお酒を提供したりすることで、FL比率は着実に改善していくことができます。
 

まずは自店の売上高、営業利益率、FL比率などを計算して現状把握をなさってください。
また、現在の月商のままFL比率を1%改善することができれば、毎月どれだけ営業利益が上がるかを計算してみてください。
 

飲食店経営においては売上に注目がいくのは当然ですが、原価コントロールをすることで、営業利益を増やすことも可能なのです。
 

ぜひ色々試してみてくださいね。

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