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5月8日のXデー以降、飲食店従業員はマスクを着け続けるべきなのか?

2023年04月26日 更新

5月8日は新型コロナウイルス感染症にとってのXデー

3年間以上も新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)対策に苦しめられてきた飲食店にとって、5月8日は非常に大きな意味を持つ日になりそうですね。

そうです。新型コロナの感染症法上の分類が5月8日にインフルエンザなどと同等の「5類」へ引き下げられるのです。この日はwithコロナからafterコロナに移行する、まさに「Xデー」と言えるのではないでしょうか?

マスクの着用は個人の判断に委ねられる

政府はすでに、「3月13日から屋内・屋外を問わずマスクの着用は個人の判断に委ねる方針」を決定しています。

また、新型コロナの感染対策が十分だというお店に対しては東京都が「認証店」としてレインボーマークの証明書を発行していますが、認証制度の期限である5月7日までの間であっても、マスク着用の徹底をお客様に伝える必要がない、と発表されました。

つまり、今後は飲食店からお客様に対してマスク会食のお願いをする必要はないのです。

ただし、内閣官房による業種別ガイドラインの見直しのためのポイント(第7版:令和5年4月3日) には、「事業者が感染対策上又は事業上の理由等により、利用者又は従業員にマスクの着用を求めることが許容される」とあります。

飲食店においては5月8日以降であってもお客様や従業員に対して「感染対策としてマスクを着用してください」という依頼ができますよ、というガイドラインですが、実際にはお客様にマスク着用をお願いするのは相当難しいことが予想されます。

飲食店従業員がマスクをつけるかつけないかの、決断が求められる

もちろん5月8日以降も当分の間はマスクを着けてご来店されるお客様が多いと予想されます。日本人にとってマスクはすでに「外出する際の必須アイテム」として定着し、つけていないと逆に精神的に落ち着かない、という方が多くいらっしゃるからです。

では、従業員はどうでしょうか?
Xデー以降に、接客スタッフがマスクを着用しながら接客をするか、思い切って全員外してしまうか、どちらを選ぶかは大きな経営判断になると言えるでしょう。
ここで飲食店経営者や店長がやってはいけないことがあります。

それは、従業員にマスクをつけ続けましょう、もしくは外して接客していきましょう、という明確な方針を出さずに、なんとなく個人の裁量に任せてしまう、ということです。
ある従業員はマスクをつけ続けているが、他の従業員はつけていない、ということになると、統制が取れません。どちらにするか、意思決定は難しいところではありますが、少なくとも店としての方針を決め、全員に伝達をすべきと言えるでしょう。

マスクを外すメリットは、
特に居酒屋業態など、ある程度の活気や声出しが求められる飲食店においては、マスクを外して接客をすることでコロナ禍以前の雰囲気を作りやすくなるため、「従業員はマスクを外す」という意思決定をする経営者が多くいらっしゃると思います。

一方で、従業員がマスクをつけていないことでお客様離れが起きてしまうのではないか、と考える経営者の方もいらっしゃるでしょう。この場合は、当分の間、従業員全員がマスクをつけ続ける、という意思決定をすることでしょう。

このようなお客様のお気持ちを考慮することとは別に、従業員の方々もそれぞれ個人の考え方を持っているということを忘れてはいけません。事業的な判断とは別に、従業員の方々の総意をくみいれた決断をするべきでしょう。
Xデー以降もマスクをつけ続けるべきか、外すべきか、この問いには、正解・不正解はありません。実際には「当分の間は他店の状況やお客様の反応を見ながら、徐々に外すかどうかを検討していく」という飲食店が多くなりそうですね。

しっかりと意思決定をして、従業員とお客様にお伝えする

意思決定したら、まず、従業員に方針を伝えて理解を求めましょう。また、従業員に伝達をするだけでなく、お客様にもその店の方針をしっかりと伝えることも必要です。

具体的には、店内に

当店の従業員(接客スタッフ)は、マスクを外して業務を行います
*引き続き感染症対策や衛生管理には細心の注意を払っております

もしくは、

当店の従業員(スタッフ)は当分の間、マスクをつけたまま接客や業務を行います
マスクの下は笑顔ですので、ご理解をお願いします

などのように、マスクを外す、つけ続ける、どちらの意思決定をした場合であっても、その意思決定や方針をしっかりとお客様に伝えられるように、POPや張り紙をしておくことをおすすめします。

〈店内掲示例〉

【マスク未着用】

マスク未着用で接客する方針を伝える店内掲示用のポスター

マスク未着用で接客する方針を伝える店内掲示用のポスター

マスク未着用で接客する方針を伝える店内掲示用のポスター

【マスク着用】

マスク着用で接客する方針を伝える店内掲示用のポスター

マスク着用で接客する方針を伝える店内掲示用のポスター

マスク着用で接客する方針を伝える店内掲示用のポスター

※上記は無料でダウンロードいただけます。ダウンロードはこのコラムの下部からお願いします。

もちろん、5月8日以降にはマスクを外す、という意思決定をしたお店であっても、再び新型コロナウイルス感染者数が急上昇した場合などは、すみやかに自店のルールを「着マスク」に戻し、お客様にもそのことをお伝えしていったほうが良いでしょう。

今後、新型コロナがどうなっていくのか、またXデー以降に従業員がマスクを外すとお客様離れが起きてしまうのか、などについては、誰にも分かりません。

ただ、長く苦しんだ飲食店にとって、新型コロナの呪縛から一つ開放されそう、ということは、非常に喜ばしいことと言えます。

マスクを外しても、つけ続けても、その他の感染症対策や衛生管理をしっかりと行い、お客様にその姿をしっかりとご覧いただくことで、徐々に「この店は安心して食事ができそうだ」という安心感と信頼感を獲得していけるものと思われます。

ぜひ、引き続きしっかりと感染対策や衛生管理を行い、マスク越しではない本当の笑顔をお客様に見せられる日がくるといいですね。頑張りましょう!

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