ADL(日常生活動作)
えーでぃーえる(にちじょうせいかつどうさ)
ADLとはActivities of Daily Livingの略称で、食事や入浴、更衣などの日常生活動作のことです。高齢者の身体能力や日常生活レベルを示す指標として用いられており、介護報酬の加算項目にもADL維持等加算が設けられています。
日常生活動作の中には、IADL(Instrumental Activities of Daily Living=手段的日常生活動作)と呼ばれるものもあります。
ADLとIADLの違い
ADLは、日常生活を送る上で最低限必要な、基本的な日常生活動作のことです。食事や入浴、更衣、排泄、階段昇降などが該当します。
一方IADLは、日常生活動作の中でも頭を使った判断が求められる高次の日常生活動作を指します。具体例としては、掃除や買い物の準備、服薬管理、電話の使用などです。
例えば、食事に必要な一連の動作をADLとIADLに分けると以下のようになります。
ADL
IADL
ADLの評価方法
ADLは、「BI(Barthel Index)」や「FIM(Functional Independence Measure)」で評価します。
BIは、「食事」「移乗」「整容」「トイレ動作」「入浴」「歩行」「階段昇降」「着替え」「排便コントロール」「排尿コントロール」の10項目を5点刻みで点数化し、その合計点を100点満点として評価するものです。項目によって点数の段階が異なり、例えば「食事」は0点・5点・10点の3段階、「移乗」は0点・5点・10点・15点の4段階で評価されます。
項目
点数
判断基準となる質問内容
食事
10
自立、自助具などの装着可、標準的時間内に食べ終える
5
部分介助(たとえば、おかずを切って細かくしてもらう)
0
全介助
車椅子からベッドへの移動
15
自立、ブレーキ、フットレストの操作も含む(非行自立も含む)
10
軽度の部分介助または監視を要する
5
座ることは可能であるがほぼ全介助
0
全介助または不可能
整容
5
自立(洗面、整髪、歯磨き、ひげ剃り)
0
部分介助または不可能
トイレ動作
10
自立(衣服の操作、後始末を含む、ポータブル便器などを使用している場合はその洗浄も含む)
5
部分介助、体を支える、衣服、後始末に介助を要する
0
全介助または不可能
入浴
5
自立
0
部分介助または不可能
歩行
15
45M以上の歩行、補装具(車椅子、歩行器は除く)の使用の有無は問わず
10
45M以上の介助歩行、歩行器の使用を含む
5
歩行不能の場合、車椅子にて45M以上の操作可能
0
上記以外
階段昇降
10
自立、手すりなどの使用の有無は問わない
5
介助または監視を要する
0
不能
着替え
10
自立、靴、ファスナー、装具の着脱を含む
5
部分介助、標準的な時間内、半分以上は自分で行える
0
上記以外
排便コントロール
10
失禁なし、浣腸、坐薬の取り扱いも可能
5
ときに失禁あり、浣腸、坐薬の取り扱いに介助を要する者も含む
0
上記以外
排尿コントロール
10
失禁なし、収尿器の取り扱いも可能
5
ときに失禁あり、収尿器の取り扱いに介助を要する者も含む
0
上記以外
FIMは、排泄や移乗などの動作に関する「運動ADL」13項目と、コミュニケーションや社会認識の程度に関する「認知ADL」5項目で構成されており、各1~7点の7段階(合計:18~126点)で評価するものです。
ADL低下を防ぐには?
ADLが低下すると、ご利用者様は部屋やベッドにこもりがちになり、身体機能がさらに低下する恐れがあります。ADLの低下を防ぐためには、過度な介助を行わず、ご利用者様の自立度に合わせてサポートすることが大切です。日常の作業や動作を細分化して、どこまでなら一人でできるのか、またサポートがあればどこまでできるのかを把握した上で介助しましょう。
例えば排泄の場合、動作は「トイレまで移動する」「衣服をおろす」「便器に座り排泄をする」「排泄の後始末をする」「自分の部屋に戻る」と細かく分けることができます。この一連の動作のうち、ご利用者様がご自身の力でどこまでできるのかを知っておくことで、必要以上の介助を防げます。また、排泄記録表を活用してトイレタイムを把握しておき、時間になったらご利用者様をトイレに誘導するのも、ADL低下を防ぐケア方法です。
なお2021年度の介護報酬改定では、自立支援・重度化防止に向けた取組を一層推進する観点から、ADL維持等加算の対象範囲が特別養護老人ホームなどにも拡大されました。
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