ノロウイルス
ノロウイルス
ノロウイルスとは、感染性胃腸炎の原因になるウイルスのことを指します。強い感染力を持ち、ほんの少量のウイルスでも中毒症状を示すことが特徴で、乳幼児から高齢の方まで幅広い年齢層がかかる感染症です。主な症状は、急な腹痛と激しい嘔吐・下痢などです。年間を通して感染のリスクがありますが、特に冬場に流行します。ノロウイルスは、85℃以上の熱や次亜塩素酸ナトリウムによって不活化することができます。手指に付着している場合は洗浄で洗い流すことが有効です。
ノロウイルスの感染経路
ノロウイルスの主な感染経路は経口感染であり、下記のような経路が考えられます。
他の感染経路として、接触感染、飛沫感染も考えられます。接触感染はノロウイルス感染者の排泄物や嘔吐物に接触後、汚染されたを手指や物品を口に入れることにより、ノロウイルスが口に入って感染することを指します。また、ノロウイルスによる飛沫感染とは、ノロウイルス感染症を発症している人の嘔吐物や下痢便などが床に飛び散り、その飛沫を吸い込んで感染する場合をいいます。
ノロウイルスはこのようにさまざまな感染経路をとるために感染が拡がりやすく、高齢者介護施設では症状も出やすいため、集団感染のリスクが高い感染症です。
ノロウイルスの感染対策の一例 感染者がトイレを利用した後の処置
感染した方がトイレを利用した後は殺菌・消毒を行って二次感染を防ぎましょう。ノロウイルスに感染した方の排泄物にはウイルスが含まれており、感染のリスクがあります。そのため、トイレが感染拡大の原因となることも珍しくありません。
ノロウイルスに感染したご利用者様のおむつ交換を行う場合は、マスク・エプロン・手袋の着用が必須です。交換したおむつは必ずビニール袋に入れて密封し、各自治体の廃棄方法に従い処分しましょう。
ノロウイルスの感染対策・嘔吐物処理のポイント
感染者の排泄物と同じく、嘔吐物にも高い感染リスクがあります。嘔吐物処理のポイントを把握しておきましょう。
花王プロフェッショナル・サービスでは介護施設様向けに感染対策の基礎知識をご紹介しています。嘔吐物処理の基本手順は「緊急時の対処 嘔吐物の処理の仕方」をご覧ください。
施設でノロウイルスが発生したら?
施設内でノロウイルスが発生(疑いも含む)したら、まずは嘔吐物の誤嚥や窒息に注意し、医師の指示のもと、脱水予防などの対症療法を行う必要があります。感染拡大の防止にも努めましょう。
ノロウイルスは感染力が強いため、リネン類や日用品を介して感染する可能性があります。ご利用者様が感染した場合は個室に移すなどして隔離するとともに、次亜塩素酸ナトリウムで環境の消毒を行ってください。そして最寄りの保健所に感染者数や症状、対応状況などを報告して指示を仰ぎましょう。ご家族との接触や面会の制限も必要です。
さらに、スタッフ様の健康管理も重要です。ノロウイルスに感染したスタッフ様が無理に業務に従事するとさらなる感染拡大を招くため、出勤停止や自宅待機を命じるなどして対処します。ノロウイルスなど感染症による出勤停止を定めた法律はないため、就業規則などであらかじめ「病者の就業禁止」を規定し、施設内感染のリスクを避ける必要があります。
ノロウイルス対策の啓発等にご活用ください
集団感染がどのように始まり、どう対応したのかは、意外と知る機会がありません。
このリポートでは、介護施設や保育園などでノロウイルスの集団感染を体験した方々の声をまとめました。施設内での啓発等に、ぜひダウンロードしてご活用ください。
体験者から学ぶノロウイルスとの戦い真相リポート
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