「飲食店は水もの商売。うまくいけば儲かるけど、ダメな場合にはとことん厳しい。儲かるかどうかは景気や天気に左右されるね」。古くから飲食店経営をしている方は、こんなことをよくおっしゃいます。こういう方は、「売上から色々な業者さんに支払を済ませて、残ったものが利益」という粗い考えで経営をされていることでしょう。
でも、せっかくこれから飲食店を開業しようとしているのならば、月間に1,000万円売り上げたら、いくらくらいの利益が残るのか、をしっかりと知りたいですよね?
先に結論から言えば、飲食店で月商が1,000万円だった場合、残る利益は50~80万円程度しかありません。「え~、原価率は30%程度でしょ。だったら、最低でも300万円くらいは利益が残りそうなもんだけど、違うの?」という声が聞こえてきそうですが、申し訳ありません。その数字は、全く非現実的です。
営業利益とは、売上からかかっているコストを引いた額で、営業利益率は、売上に対して、利益が何%残っているか、で計算します。
営業利益=「売上高-コスト」
営業利益率=「営業利益÷売上高×100」
と計算します。実際の「営業利益率」はほとんどの飲食店で5%程度、株式上場している飲食企業でも8%程度です。少し難しい話になりますが、この営業利益から支払利息などを引いたものが経常利益となるため、経常利益率はもう少しずつ下がるのが一般的です。
飲食店を運営していくためには、毎月さまざまなコストがかかります。
月商が1,000万円ある場合は、その売上をつくるための「食材原価(肉・魚・野菜・酒など)」と接客や調理をするための「人件費」、「水道光熱費」や「販売促進費」などがかかります。これらを「変動費」と言います。売上の上下に連動して変動する費用ですね。
この変動費以外に、毎月黙っていてもかかるコストがあります。これが「固定費」です。固定費の代表的なものでは家賃、初期条件と呼ばれる減価償却費、リース料などがあります。
1,000万円の売上を100%とした時に、これらのコストはどれくらいの%ずつかかっているのでしょうか?
上記で、売上高に対するコストは95%となる計算です。食材原価には、実際にお客様に提供するための食材費だけでなく、新メニュー開発のためのサンプル費なども入ってきます。また、人件費には、社員やアルバイトに対して支払う直接的な給与だけでなく、交通費やまかない代、店舗主催の飲み会代などの福利厚生費も含まれてきます。
飲食店経営では、工夫をせずにいたら、仮に1,000万円の月商があっても営業利益は50万円しか残らないのです。500万円の月商では25万円です。これでは、何のために開業資金を借り入れて頑張っているのか、分からなくなってしまいますよね。
利益率を高めて多くの利益を残すためにも、飲食店はあらゆる「工夫」をしなければなりません。まずは「FLコスト」を下げることから始めましょう。
ここでは詳細に解説はしませんが、目標売上高に基づき徹底的にシフトコントロールをすること、食材廃棄率を下げることなどで、FLコスト・FL比率を下げることは可能です。
開業前に物件探しをしている段階の方は、「せっかく飲食店を開業するのだから、立地の良いところ、内装外装のキレイな店をやりたい。」とどんどん要望水準が高くなるものです。でも、家賃は、想定月商(売上)の10%未満にとどめるようにしてください。固定費である家賃が高いと、どんなに他のコストを削っても、最終利益を出しづらい構造になってしまいます。月商目標が500万円の場合は、50万円以内の家賃の物件を探しましょう。
同様に、固定費であり初期条件と呼ばれる、減価償却費とリース料は、少ないに越したことはありません。開業時には、厨房設備や調理器具などはピカピカの新品を使いたくなるでしょうが、それらを全て中古品でそろえることで、初期条件を数%も下げることができます。
「高級品、新品は儲かってから。」を合言葉に、飲食店開業当初は中古品を探すことも一案です。
いかがでしょうか?一般的な飲食店においては、営業利益率が5%と低い状態で経営をしているところが多いと言えます。でも、月商1,000万円の店舗で、1%のコストダウンを実現すれば、営業利益は毎月10万円も増えるのです。食材廃棄率を減らす、無意味に厚めのシフトは組まない、電気や水道はつけっぱなし出しっぱなしにしない、などのコストコントロールを徹底していけば、コストを数%下げることは決して不可能ではありません。
ぜひ、日々かかっている原価やコストをしっかりと把握して、利益率・利益額アップを目指してください。
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